どうも.今年もRTMコンテストに参加してきました.結果は・・・まあ・・・置いときましょ.
http://www.openrtm.org/openrtm/contests/2011
終わって,某大先生や先輩方と飲んで,直後の感想を書いてますので,変な文章だったり気分を害したらすみません.酔ってます.
今年のRTMコンテストの感想として,じわじわと参加者が増えていくにつれ,聴講者が増えていっており,50人くらいの教室で立ち見が出てました.60人くらい,という人もいましたが,とにかく会場が狭かった・・・(笑)
僕の周りの人でも「RTミドルウエア」という単語を聞く事が何度かあり,先日のロボット展もあったので,ここでたたみこむように何かを発して行かないと,また終息の方向にベクトルが向かっていくんだろうな,と思っています.これに対して,あくまでも外野である僕はあまりにも無力だと思っていて,すごく悔しいと思っています.
今年の僕の作品は「RTno」というもので,市販のマイコンボード「arduino」や「mbed」を使って,RTミドルウエアの実装である「OpenRTM-aist」に対応したコンポーネントを簡単に作るためのライブラリとツールです.
http://www.ysuga.net/robot/rtm/rtc/rtno
PC側のプログラムはLinux,Windowsで動いて,マイコンは通販で買えますし,誰にでも使ってもらえるRTCを提供したつもりです.興味があれば使ってやってください.
一応,arduino製品はいろんなお店で買えますが,この記事では「ヴィストン」さんを押しときます.RTミドルウエアコンテストに協賛して下さいました.
http://www.vstone.co.jp/robotshop/index.php?main_page=index&cPath=71_270
今回は,「RTミドルウエアって面白そうだけど,使えるコンポーネントが無いよね」という言葉にこたえるものを提供する,というのがテーマでした.
RTnoは所詮マイコンボードなので,完成品の華麗さはないですけど,泥臭いことが好きな人もまだまだいると信じてますし,そこに興味があるソフトウエア屋さんにも,よい題材になってると思います.使ってみようという人がこれで増えればな,と思います.
さて,自分のことはこれぐらいにして...
RTコンポーネントはだんだんと増えてきています.ドキュメントもどんどん書こう,という文化が浸透し始めて,まだまだ十分とは思っていませんが,よい傾向だと思います.
ただ,それぞれのコンポーネントは,やはり研究者の人たちが作っている,ということで,buggyであり,また複雑で,検証自体がまだまだ不十分だな,と思うものが多いようです.
そもそも,RTコンポーネント自体のデプロイメントや,共通インターフェースが規定され切っていない時点で,5つ以上のコンポーネントが複雑に連携するようなシステムでは,それをサポートするツール等が付属していない限りは,初心者は,その分野の門外漢に使ってもらうのが難しいと考えています.
さらには研究でつかっているプラットフォームや,自作のロボットを使った作品が多いようですが,どちらも入手性という点では疑問です.
買ってこれる,安いロボット.それでRTCが試せる,というのが求められていて,これもヴィストンのビュートローバなんかは可能性があるな,と思っています.
http://www.vstone.co.jp/robotshop/index.php?main_page=product_info&cPath=156_176&products_id=2715
今の段階で必要とされているのは,
1.ハードに触れるRTコンポーネント
2.ハードの入手性が極めて高いこと
3.利用しやすい工夫があること
4.マニュアルが充実していること
といった段階だと思っています.アルゴリズムやサービスレベルの実装は,ロボット屋としてはもう少し先なんじゃないかな,と思っています.むろん,「中の人」は使ってますけど,普通はrtshellとか,rtc-daemonとか使いこなすのは先の話なんですよね.
といった具合で,RTMコンテスト,3回出させてもらっていますが,ある程度,自分なりにテーマ設定をして参加してます.
次に進む方向としては2つあって,
1つは,これを教育方面で活用していくためのツールやテキストブックがあって,それに答えてくれたのが,埼玉大学琴坂研究室の作品
http://www.openrtm.org/openrtm/ja/project/rtm_learning
この方向はどんどん進めていって,早い段階で,出来れば高校や中学でもRTMに触れるような場面が作れるといいな,と思っています.
僕のサイトもそういう狙いがあるわけで,最初は研究室の後輩のための備忘録だったわけですけど.
もうひとつはハードの一つ上の層を提供するRTCがよいかな,と思います.
カメラの一つ上の画像処理,なんてのはわかりやすい例ですよね.今回はインタラクションのための指差し位置推定コンポーネント,がこれに当たります.
http://www.openrtm.org/openrtm/ja/project/RTMContest2011_1261
あとはアイディアとしては加速度センサやジャイロを組み合わせたセンサアレイの一つ上の層のRTC,とか,そういうハードとソフトの融合が提案できれば,次の可能性かな,と思ってます.
Kinectなんてのもこのラインの製品で,既存のセンサアレイ+ソフトウエアという組み合わせが,クリエイターを刺激するという仕組みであり,このラインはまだ可能性が残ってるし,それがRTCで出てくれば,普及の観点でもいいな,と思ってます.
という感じで来年以降のアイディアを練っています.誰か面白いの見つけたら,形にして来年のRTMコンテストに出して下さい.やるらしいですよ,来年も.
こういうのがRTMコンテストで出てくれば,よい賞をあげたいな,と思っていますし,RTM普及やビジネスへの発展もあるんじゃないかな,とも思います.
あまりハードから乖離してたり,試すためにRTCを5個以上使うのは,僕はちょっと萎えますし,ハードが手に入らないテーマや自作するのに時間がかかるテーマはなかなか審査する方も辛いっす.
とにかく,楽しい雰囲気で気持ちよく発表させてもらえたので,この場を用意して下さったRTMコンテスト実行委員会のみなさん,SI部門のみなさん,みんなに感謝してます.ありがとうございました.
来年は味噌っかす扱いらしいので,自分が作りたかったもので応募しようかな,と思ってたり.