2016年度春学期 知能機械学授業内容

知能機械学の講義内容を公開します.

4月20日分

ロボットとはセンサー,モーター,コンピュータの組み合わせ技術である.
このようなシステムインテグレーションの技術をサポートするために,ロボットミドルウェアが普及し始めている.
ロボットミドルウェアは,部品化されたソフトウェアモジュールの組み合わせによって大きなソフトウェアを作る場合に便利はツールである.
今後は,ロボットミドルウェアを使って,どのようにソフトウェアモジュールを設計・組み合わせ・開発するのか,がロボットソフトウェアの課題となって来ている.

5月25日分

ハードウェアそのものを上手に設計することによって,ソフトウェアや制御で実現するような知能を観察することができる.
複雑怪奇なロボットの身体と環境に適応する制御を実現するには,適応的アルゴリズムが有効だろう.
適応的アルゴリズムの基礎知識として,山登り法や遺伝的アルゴリズム,強化学習の基礎的な考え方を紹介する.
いかに適応的なアルゴリズムが知能的に振る舞うとはいえ,身体を共に議論しないことには,ロボットに環境と渡り合う知能は芽生えない.

6月22日分

遠隔で操作するロボットが話題になっている.
遠隔操作は未知領域で探索などのタスクを遂行するロボットについて,想定外の問題に対処するために「人間」という高度な知能を搭載したロボットであると言える.
遠隔操作であっても,情報提示や入力インターフェース,人間側の適応などの問題が残る.これらはロボットの身体性とも言えるだろう.
結局は,想定外の知能を乗り越えるためには,遠隔操作ロボットであっても十分に練られた身体性を備えたロボットでなくてはならない.

7月6日分

移動するロボットを自動的に動かす技術が注目されている.
この時,ロボットの位置と姿勢を確率的な表現で扱うことによって不確からしさ,を同時に取り扱うことができるようになる.
不確からしさ,を複数のセンサを使って減らすための「フィルタ」という仕組みを導入して自己位置同定を行っている.
SLAMはさらに,マップを推定するので難しい問題になる.