RTMコンテスト,今年も行ってきました.SSRが賞も出しているので.
まずは,審査員の先生方,参加者の皆様,指導教員の皆様,お疲れ様でした.
正直,他人のソフトウエアを評価するというのには,自分はあまり向いてない気がします.
来年は自分の賞の評価のみやりたいですね・・・
さて,今年思ったことですが・・・
1.データ型を気にしてほしい.
データ型は,単にデータを送れるか,とか,同期が取れて,とかそういうだけではなく,このデータポートはどのデータを送るのか,という情報を提供しています.つまり,RTCの使い方に関する情報を提供しています.
一方で,TimedLongSeqとか,TimedOctetSeqとかは,その情報を提供していません.あまりプリミティブデータ型のデータポートを使わないでほしい,というのが本音です.
新しいデータ型を定義するのが難しいという話がありました.
こちらで解説していますのでどうぞ.質問があればメーリスか,このページのコンタクトページからどうぞ
ysuga.net – オリジナルのデータ型を使ったDataPortのプログラミング –
2. ドキュメントはいいんだが
上の話の関連で.ドキュメントをたくさん書く,というは確かに大事なのですが,RTCを起動して,コンフィグレーションとか,インターフェースをざっと眺めるだけで使えるようなRTCが良いと僕は考えています.
この点ではバイナリでRTCを配っているプロジェクトが多いのはうれしかったです.できれば,RTC110.dllやomniDynamic***.dllなどのバイナリも一緒につけてくれると,x64版を使わない僕でもさっさと試せたと思います.その辺はライセンスの記述されたtxtファイルをつけてくれれば配布可能ですので.
Java版は,OpenRTM-aistのJarをつけると非常に便利です.
「すぐに試せる」というのは「マニュアルをじっくり読んだら,すぐに試せる」のとはちょっと違う気がするんです.まあ,僕も満足できるものはまだできていませんが.
3. 総論
とにかくレベルは高かった.最優秀賞の審査ももめました.
僕は,使ってみたくて,作ってみたかったものを表彰しようと思ったので,SSR賞はこれにしました.悩みましたが.
結果としてはこの作品,最優秀賞も受賞しました.
僕はマニュアル斜め読みしただけで使えました.改善点があるとしたら,GUIのレイアウトやラベルなどの情報を多くしてもっとわかりやすくできそうな気がします.
よく作る(作らされる)ExcelシミュレータなどとRTCを直接連結できそうです.うちではExcelがシミュレータなのです(笑)
使った感じだと実行速度に難がありますが,うまくデータを間引きして可視化すれば,(某氏には)喜んでもらえそうです.
コンセプトのプレゼンテーションについては一悶着あったのですが,作品としてRTCを使った,というものにはコンセプトのプレゼンが必要不可欠だと思いますが,ツールや単体RTCのプレゼンにその部分は必要ない,とすら思います.まあ,極論で,早大の学生がそう言ったら怒りますけど(笑) 作るのが楽しいから,という言葉にはすごく共感しました.
ツールとかは,これ,面白くない?で十分だし,どう使うかは聞けばわかりますし僕が考えますから.使い方のマニュアルを必要最低限用意してくれれば僕はOKだと思っています.
まあ,最優秀賞は僕がひいきしてようがしまいが,審査委員会全体が決めたことなので実力です.おめでとう,と言いたいです.
あと,個人的にシステムとしてよくできてるな,と思ったのは,実はこれです.
RTMによるカメラマンロボットの動作確実性の向上
毛色が違ういろんな要素を詰め込んで,ひとまとまりのロボットにしているので,それなりに面倒が多いシステムだと見えますがどうでしょうね.
次はサービスポートや,独自データ型をうまく使って,RTシステムの見通しを良くする段階に来ていると思います.その中で,再利用性のさらに高いRTCが見つかる気がします.
このシステムもよくできていました
楽器演奏のためのMIDI RTコンポーネント
ただ,楽器からのMIDIを読めないと,インタラクティブじゃないな,と思いました.MIDIファイルを演奏するだけだとちょっと寂しかった.それならMax + Arduinoでよくない?と.
まあ,Maxはかなり万能なのでほとんどのことができちゃいますが,ロボット的な要素と組み合わせてインタラクティブなアート作品を期待します.
次はvvvvとか使ってくれたら楽しそう.インタラクティブなプロジェクションマッピングではMax/MSPとともに使われているみたいなので,
僕の方でもMax/MSPに続きvvvvとのブリッジも作りたいと思っていますが,誰かやってくれるなら嬉しいな.
僕から,「これも僕は作ったことがあるんだけど」というコメントが多かったのは,ちょっと反省.
作るは作るんですが,ドキュメントを揃えて公開するところまでやってないのは,作ったことがないのと一緒ですから,RTMコンテスト出してくれた人たち,本当にありがとう.尊敬します.
結局僕の場合,ちょっと試してみよう,と思ったら,だいたいRTCにして,rtshellとかからデータを送受信するようなことをしているので,なんでも作ったことがある,になっちゃいます.
近いうちに,wasanbonで管理しているRTCについては,wordpressのウェブページをRTCProfileから自動生成できそうなので,ずらっとRTCが並ぶと思いますんで,その時はよろしくお願いします(笑)
来年は名古屋らしいです.今から,来年のネタを準備しましょう.
アート系の作品については,作品としての訴求力が強い作品を期待します.ツールも良いのですが,(良い悪いあるとは思いますが)作成者のセンスをもっと感じさせるものがあるといいです.ぶっ飛んだものが欲しいです.
ツール系は,マニュアルをあまり見ないでも済む設計を追求したいです.RTCもそうです.