ラグビーは,長さ100m未満,幅70m未満のフィールドに2チームが両サイドに別れ,ゴールラインの外側に設けられたインゴールに楕円形ボールを運ぶ事で得る得点を競う競技です.
すなわち,より相手の陣地深くにボールを運ぶプレイがすばらしいプレイといえます.
では,どうやって前方にボールを進めていくのでしょうか.
ここで,皆さんご存じのルールが出てきます.
「前に向かってパスしてはいけない.(スローフォワードの反則)」
これはラグビーのルールの中でもっとも良く知られているルールでしょう.
これは他のスポーツに精通している方からみると,「なぜ?」と感じる人もいるかもしれません.
しかし,こう考えてみてください.
「選手は自身の足でのみボールを前に運ぶことができる」
なんて熱い響きになるんでしょうか.
得点に近道はないのです.
では,ボールを前にパスせずに前にすすめていくにはどうしたらいいのでしょう.
ボールを持った選手が選択できるプレイは主に以下の3つです.
- ラン: 走る
- パス: パスする
- キック: 前方にキックする
ひとつひとつについて考えて,ラグビーの精神に触れてみましょう.
ラン
スローフォワードの反則があるため,ランはラグビーの基本ともいえるプレイです.
しかし,ランを選択すると相手選手からのタックルを受ける危険性を伴います.
ラグビーは選手同士の激しいコンタクトを前提としたスポーツです.
タックルで倒された場合,ボールを離さなければならないというルールがあるため,味方のフォローがない場合はボールを相手チームに奪われる危険性があります.なぜなら倒された選手がボールを離さなかった場合は,「ノット・リリース・ザ・ボール」という反則を受けてしまい,相手チームのスクラムから試合再開になるからです.
ランを選択する選手はタックルされる確率のほうが多いのに走るのは,味方のフォローを信じて走るのです.
自分が倒されても,後から来る選手が密集から再び自分たちチームのボールとして奪い返してくれることを信じるのです.
味方を信じれない選手は,ボールを放さないで「ノット・リリース・ザ・ボール」になったり,苦し紛れのパスをしたりしますが,真に強いチームの選手は,ボールを味方方向に少し押し出す程度です.もうそこにはフォローの選手がいるからです.
タックルについても同じことが言えます.
タックルする選手は,ボールにタックルするのではなく,ランを選択した選手を倒します.
あとから来る選手が必ず密集からボールを奪うと信じれば,選手はタックルに集中できます.そんなタックルをしてくるチームこそ恐ろしいのです.
パス
パスは高度にボールを扱うテクニックを必要とします.ただでさえ楕円形の扱いづらいボールですから,ボールをこぼしてしまうという危険性が伴います.
パスキャッチを失敗して,ボールを前方に転がしてしまった場合は「ノック・オン」という反則になってしまいます.雨の日や,試合が荒れた日はノックオンの反則が頻発します.
ノックオンは相手にボールを奪われるミスですが,そのリスクを犯してもパスを選択する選手は,味方プレイヤーを信頼してパスを選択するのです.
また,パスを受ける選手は,パスをする選手の信頼に応える義務があるのです.
キック
キックでは前方にボールを蹴りだすことが出来ます.つまりキックは唯一ボールを自身よりも前方に進めることが出来るプレイです.
しかし,プレイヤーが蹴った時点で,そのプレイヤーよりも前方にいる味方プレイヤーはそのボールを直接受け取ることが出来ませんし,それに働きかける行為も禁じられています.
すなわちキックは,大きく陣地を挽回できるものの,ボールの支配権を相手のチームに渡してしまう危険性の高いプレーなのです.
キックを選択するプレイヤーは,味方チームが再びボールを奪い返すことを信じてキックを選択します.



